脱脂力が強いアルカリ電解脱脂の特徴と種類について解説

皆さん、アルカリ電解脱脂についてご存じでしょうか。
以前の記事でアルカリ電解脱脂とアルカリ浸漬脱脂のご紹介させていただきました。
脱脂の種類のなかでもアルカリ電解脱脂は、脱脂力も高くて仕上げの脱脂として活用される場合が多くなります。
今回はより詳しくアルカリ電解脱脂についてご説明させていただきます。

アルカリ電解脱脂について

アルカリ電解脱脂とは、アルカリ性の脱脂液の中に被処理物と電極版を浸漬させ電流を流し、被処理物からガスを発生させることで油脂を除去する方法です。
被処理物から発生するガスは酸素または水素ガスになります。ガスの力で表面の油脂を除去することになります。
この脱脂方法は油脂を除去する力が強力であり、その反面、方法を誤ると表面に不純物を付着させてしまうので注意が必要です。

アルカリ電解脱脂の種類について

被処理物の種類や表面の状態により、方法も使い分けます。
脱脂液の成分はどの種類も同じになります。

陰極電解脱脂

陰極電解脱脂とは、被処理物を陰極にして電流を流し、被処理物から発生する水素ガスを利用して脱脂処理を行う方法です。
水素ガスが大量に発生し攪拌することで、強力な脱脂効果を発揮します。また水素の還元作用によって錆の分解にも効果があります。
しかし、水素ガスの水素原子が被処理物に吸収されることで、被処理物自体が脆くなります。(=水素脆性)
また、処理中には電極版の金属が脱脂液中に溶解してしまいます。この金属は不純物であり、さらに処理中には電流を流します。よって、めっきの原理と同じように金属が被処理物に析出する可能性があります。この析出してしまった金属はめっきや塗膜の密着性を阻害してしまいます。

陽極電解脱脂

陽極電解脱脂とは、被処理物を陽極にして電流を流し、被処理物から発生する酸素ガスを利用して脱脂処理を行う方法です。
この方法では酸素ガスが油脂を酸化分解して除去します。酸素ガスは水素ガスのように素材自体を脆くする効果はありません。また、脱脂液に溶解して金属が析出されることもありません。
しかし、陰極電解脱脂で発生する水素ガスより酸素ガスの発生量が少なく、脱脂する力は低くなります。また、被処理物に酸化被膜を形成してしまうので、酸化被膜を取り除く工程が追加で必要になることもあります。

PR電解脱脂

PR電解脱脂は、被処理物を交互に陰極と陽極にして電解脱脂を行う方法です。
この方法は陰極電解脱脂と陽極電解脱脂の両方の長所を生かし、また、短所を補い合う方法になります。近年において活用されることが多くなりました。

各種類のメリット・デメリットの比較

最後に

いかがでしょうか。
アルカリ電解脱脂には種類があり、それぞれにメリット・デメリットがあります。脱脂力が強いため、実際は多くの工場でアルカリ電解脱脂が活用されています。
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