【シールド効果、デザイン性】編組線の使用目的とさまざまな効果をご紹介します

編組線とは

編組線は電送の質を上げるために使用される電線の構成要素の一つです。 電線の使用目的や利用状況に応じて素材や編組線を組み込む部分を変えて使用されます。 基本的な電線の構造は内側から被膜のついた銅線を縒り合わせたもの、編組線、外皮となっています。(画像を参照) 編組線は画像で印がついているところに位置し、電線の構造の中で外皮のすぐ内側にあることが一般的です。 三陽電工で製造する電線の約50%の製品に編組線は組み込まれています。

編組線_図

編組線の効果

編組線の有無によって電線はどのように変わるのでしょうか? 今回は編組線を組み込むことによる効果を6つご紹介したいと思います。 編組線による効果は大きく2つに分けられます。一つは電気的な効果です。これは電気が流れる電線としての機能を向上させる効果を指します。もう一つは機械的な効果です。これは電線の使用環境に応じて電線を使用しやすくする効果を指します。

電気的な効果

電気的な効果は2つあります。

①シールド効果

雑音や混線等を防ぐ効果のことをシールド効果(遮蔽効果)と呼びます。これは編組線を使用する一番の理由となる効果です。 イヤホンに使用されている電線に編組線を組み込むことで外部からの衝撃の音を遮断し、快適に音楽を楽しむことができるようにします。また、電線内での混線を防ぐため、伝えたい信号をほかの信号と混ざることなく伝えられるようにします。

②一つの信号を安定して送ることができるようになる

編組線に銅などの導体を使用することで、編組線を電送部品として使用することができます。 テレビ等に使用されている同軸ケーブルのような効果を発揮することができるようになります。

機械的な効果

機械的な効果は4つあります。

①物理的な強度の向上

編組線を使用することで電線を内側から強化することで、曲げや踏みつけ、こすれに対する強度を向上し断線を防ぎます。

②耐熱性や耐薬品性が必要な過酷環境での使用実現

電線は細長く省スペースで様々な電気を通すことができるため、様々な環境で使用されるニーズがあります。編組線を組み込むことで物理的な衝撃だけでなく素材へのダメージを防ぐことが期待できます。

③人にやさしい電線

編組線は物理的な衝撃から電線自体を守るだけでなく、人を電線から守ることにも使用できます。例えば内視鏡や胃カメラで使用される電線のような体内に入れる際に、柔軟性と強度を両立できる為編組線は採用されています。また、編組線は外皮の内側だけでなく外側にも使用できるため、肌に触れる使用方法をされる場合も人に害のない素材を使用することができます。

④デザイン性を向上させる

編組線を外皮の外に使用することで電線に温かい印象を持たせることやおしゃれな印象を持たせることができます。主に使用されることがあるのは吊り下げ照明に使用されている電線やこたつに使用されている電線です。電線という無機質な印象のものをパッと華やかにしてくれます。

最後に

さて、編組線はなぜ様々な電線に使用されているのかご理解いただく事はできましたでしょうか? 電線は一本をとっても内部構造によって全く違います。編組線を組み込むことで電線を強く、そして電送の質を向上させることができます。 使用環境に応じて電線の構成要素を変えていくことは大変重要です。

電線の仕様をご検討される際は、使用用途や環境に応じて編組線を組み込むことをご検討してみてください。 三陽電工では、物理的な強度を高めるための編組線からデザイン重視の編組線まで様々な編組線を取り扱っております。 小ロット多品種で様々なカスタムハーネスを設計、製造しているため、お客様の使用される環境や要望に応じて、お客様に最適な編組線を提案することができます。 他では難しい技術や頼むことがためらわれる「こんなでデザインで作成してほしい」などの様々な要望に真摯に向き合います。

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