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コロナ処理とは
コロナ処理とは、コロナ放電照射によって、プラスチックフィルムやファイルなどの表面を、改質させる表面処理技術です。
コロナ処理を施すことで、フィルムの表面張力が大幅に向上し、印刷時のインキや接着剤の濡れ性や密着性が向上します。
表面張力の向上とは
表面張力が向上しているというのが、どのような状態かご説明します。
下の図をご覧ください。
黄色の矢印がインキの表面張力で、黒色の矢印がプラスチックフィルムの表面張力です。
液体は表面積が小さいほうが安定する性質を持ちます。そして、安定した状態を保つために表面積が小さくなるように内側に向けて力が働きます。この力が表面張力です。
一方、プラスチックフィルム(物体)にも表面張力が存在します。黒色の矢印の通り、インキとは反対方向に表面張力が働きます。
この二つのどちらが強いかでインキののり方が変わってきます。インキをプラスチックフィルムに広げて密着性を向上させるにはインキの表面張力よりもプラスチックフィルムの表面張力が強くなければなりません。
なので、プラスチックフィルムの表面張力を向上させるためにコロナ処理を行います。
PPとPETに対するコロナ処理
コロナ処理の効果はその素材によって変わります。
例えばPPとPETでは、PETの方がコロナ処理の効果がありさらに長持ちします。
理由は、PPとPETの化学構造式にあります。コロナ処理の効果はフィルムに「O、N、S(ヘテロ原子)」の元素が含まれていると高まります。
なので、「O、N、S」が含まれているPETはコロナ処理の効果が高く持続力もあります。
一方で、PPのような「O、N、S」が含まれないオレフィン系の素材は効果が薄く、さらに短期間でその効果が消えてしまいます。
その結果、印刷ののりが悪くなってしまい、印刷の不良品等が増えてしまいます。
最後に
コロナ処理についてご理解いただけましたでしょうか?
この記事でコロナ処理についての知識が少しでも深まりましたら幸いです。
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