意外と知られていないクリアケースにおけるPETとPPの違い

PETとPPの違い

化粧品やヘアブラシ、スマホケースなどを店頭に並べる際に使われているクリアケースには主に2種類の素材が使われています。 それはPETとPPです。 この二つの主な違いについては、「透明・クリアパッケージの素材「PET・PP・PVC」の比較」こちらの記事でご説明していますが、今回は、より詳しく比較していきます。

環境面におけるPETとPPの違い

昨今、SDGsをはじめとして、環境に配慮した様々な取り組みが行われています。 そんな中、製造工程でプラスチックを使用している企業は、その素材が環境に優れているのか、気になっているのでないでしょうか。 クリアケースに使われる素材である、PETとPPで環境に優れているのはPETです。 その理由は、2点あります。

回収工程の違い(PETは資源ごみとして確立されている)

1点目は、回収工程が確立されていることです。 プラスチックをリサイクルするには、そもそも、使用したプラスチックを回収しなければなりません。 PETは、PETボトルなど資源ごみとして回収されますが、PPは、回収方法が確立されていません。 また、使用済みPETボトルの回収率を上げるために、大手飲料メーカーが企業努力を重ねていますが、PPに関しては、現状そのような動きはありません。

環境に対する影響

2点目は、2点目は、廃棄後に環境に対して与える影響です。 プラスチックが与える環境問題として、マイクロプラスチック問題があります。 これは、海に行きついたプラスチックのごみが紫外線により細かく分解され、そのごみを魚が摂取し、その魚を人々が食べることが問題視されています。 PPは水より比重が軽いために、海の上に浮かびます。それによって、紫外線を受け、魚が食べやすいサイズまで分解されてしまいます。 一方、PETは、水よりも比重が重く、紫外線にも強いために、細分化されにくい特徴があります。

以上のことから、PETはPPよりも環境面に優れているといえます。 また、紙・PET・PPの中でも、100%のリサイクル素材を製造できるのはPETしかありません。

耐久性(シートの白濁について)

PPのシートは時間が経つにつれて、白濁してしまいます。 その原因は、素材に練り込まれている帯電防止剤です。 プラスチックは元々帯電しやすい素材のため、シートにする段階で、帯電防止剤が練り込まれています。 もし、この工程がなければ、シート同士がくっついてしまったり、印刷が思うようにのらなくなったりしてしまいます。 しかし、この帯電防止剤は良い面だけでなく、悪い側面もあります。 素材に練り込まれた帯電防止剤は時間とともに、表面に浮かび上がります。 そして、その浮かび上がった帯電防止剤同士が結晶になることで、表面が白濁します。 一方PETには、帯電防止剤等の添加剤が含まれていないため、白濁を起こしません。

最後に

クリアケースにおけるPETとPPの詳しい違いについて、ご理解いただけましたでしょうか。 この2つの素材を比較した時に、度々話題に上がるコスト面の他にも、様々な違いがあることを、知っていただける機会になれば幸いです。 株式会社開伸では、環境に配慮した再生A-PETシートを使用して、透明クリアケースを製造・販売しております。開伸の透明クリアケースは、自社開発の独自技術や特許技術を用いて、高透明かつ傷がつきにくい高品質パッケージを取り扱っています。また、サンプル作成は各営業担当が行いますので、お客様のご要望に沿ったご提案が可能です。「こんなイメージで…」や「これまでの…を改善したい」といったご相談に真摯に向き合います。

※画像出典元:日本容器包装リサイクル協会

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