紙は本当に環境に良い素材なのか?~紙が与える環境問題~

プラスチックから紙へ

近年、マイクロプラスチックなどの問題で、プラスチック製品を紙で代替する動きが活発になっています。 例えば、食品・飲食業界のストローやパッケージ、アパレル業界の買い物袋などがプラスチック製から紙製へ変わっていっています。 さらにはSDGsの観点から、紙の中でも、木材以外の植物等を原料とする非木材紙や、石からできるストーンペーパーの開発、利用がされており「プラスチックから紙へ」という風潮が現代には広まってきています。

紙のリサイクルの現状

上記のような流れもあり、一般的には、紙はリサイクルが容易で、廃棄された紙のほとんどがリサイクルされているというイメージがあります。 しかし、実際リサイクルされているのは、古紙全体の約65%と言われています。 リサイクル率がそこまで高くない理由の一つとして、今の段階ではリサイクルができない古紙があることが挙げられます。例えば、石鹸や柔軟剤の包装箱や使い捨ておむつ、箔押しされた紙などは製紙原料にならず、リサイクルが不可能なため、未回収もしくは回収されても焼却されています。

 

紙が与える環境問題

プラスチックに関する環境問題として、焼却時の温室効果ガス発生による地球温暖化問題や、廃棄されたプラスチックが海に流れ出る海洋汚染問題などがよく議論にあがりますが、紙の場合はどうなのでしょう。

森林伐採

紙に関する環境問題の一つとして、森林伐採があります。 紙のストローや紙袋などの需要が増えれば、その原料のほとんどを占める木が必要になります。その結果、森林伐採がおこります。 また、森林伐採が人々に与える影響としては、疫病の蔓延が挙げられます。森林周辺部では森林伐採と温暖化の加速により、伝染病を媒介する生物が増加し、マラリア、デング熱、黄熱病などの危険地域が広がっています。 その他にも、豊かな森林を有するオセアニアや東南アジアでは、森林伐採を発端とする紛争が多く勃発しています。

温室効果ガス

森林伐採の他に、温室効果ガスの排出量にも影響があります。 紙袋はプラスチック製の袋より重くてかさばります。なので、紙袋とプラスチック製レジ袋をリサイクルをするために運ぶのに必要なトラック台数は必然的に紙袋の方が多くなります。また、埋立地行きになるごみの量も大幅に増えます。 実際に、紙袋を処分するとなると、埋立地での温室効果ガスの排出量はプラスチック製の袋より、3倍から7倍も多くなります。

最後に

紙が与える環境問題についてご理解いただけましたでしょうか。 現代の風潮として「プラスチックは悪」のようなことを耳にすることがありますが、紙が全てにおいて優れているわけではありません。 また、プラスチックはコスト面や加工容易性など非常にすぐれています。そんなプラスチックに、再度目を向けていただく機会になれば幸いです。 株式会社開伸では、環境に配慮した再生A-PETシートを使用して、透明クリアケースを製造・販売しております。開伸の透明クリアケースは、自社開発の独自技術や特許技術を用いて、高透明かつ傷がつきにくい高品質パッケージを取り扱っています。また、サンプル作成は各営業担当が行いますので、お客様のご要望に沿ったご提案が可能です。「こんなイメージで…」や「これまでの…を改善したい」といったご相談に真摯に向き合います。

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