印刷加工の流れと代表的な4つの印刷方式、その特徴

印刷の種類

印刷というと真っ先に思い浮かべるのが、自宅や会社にあるプリンターを使って紙に印刷する光景ではないでしょうか。 実は、紙への印刷の他にも、プラスチック製の洗剤ボトルや商品パッケージ等にも印刷が行われています。また、それぞれの用途に合わせて印刷方式が使い分けられています。

印刷方式は大きく分けて4種類あります。

  • 凸版印刷
  • 凹版印刷
  • 平版印刷
  • 孔版印刷

また、各印刷方法は一般的にはシーンによって以下のようにも呼ばれています。

  • 凸版印刷→活版印刷
  • 凹版印刷→グラビア印刷
  • 平版印刷→オフセット印刷
  • 孔版印刷→スクリーン印刷

次項以降ではこれらの印刷方式の違いや特徴に触れていきます。

 

印刷の流れ

本題に入る前に、簡単に印刷の流れについて、ご説明します。 印刷工程は基本的に3つの工程に分けられます。

  1. プリプレス(印刷前)
  2. プレス(印刷)
  3. ポストプレス(印刷後)

この3つです。それぞれは以下のような工程になっています。

プリプレス

プリプレスでは、印刷物の企画や構成、デザイン、フォント等の体裁を設計し、原稿を作成します。その原稿をもとに、写真や文字等をレイアウト通りに組み立てます。そして、原稿と見合わせて、問題なければ、印刷をするための版を作ります。

プレス

プレスでは、プリプレスで作成した版を用いて、実際に印刷を行います。この際の、印刷方式が様々あり、そちらを後述します。

ポストプレス

ポストプレスでは、印刷したものを切断や貼り付け等の加工を行い、印刷の依頼元に配送・納品します。

 

印刷の種類とその特徴

それでは、本題の印刷の種類についてご説明します。

凸版印刷(活版印刷)

凸版印刷はその名の通り、版の凸部分にインキをつけ、圧力をかけて紙に転写を行う方式です。仕組みでいうと、印鑑を想像していただけると分かりやすいと思います。 この方式のメリットは、印刷時に圧力がかかるため、はっきりとした輪郭が得られる点です。そのため、文字の印刷に向いており、名刺や書籍などに使われています。

凹版印刷(グラビア印刷)

凹版印刷もその名の通り、版の凹部分にインキをつけ、印刷を行う方式です。 この方式の特徴として、インキ代が比較的安く、大ロット生産に強いということが挙げられます。また、写真を高精度に再現することができ、雑誌のグラビアページの印刷に使われています。

平版印刷(オフセット印刷)

平版印刷は、特殊な版に、水とインキを付着させ、水と油が反発する性質を用いて、印刷を行う方式です。特徴としては、デザインを鮮明に印刷できることで、近年では、イラストや画像を使った雑誌等に、グラビア印刷の代わりにオフセット印刷を使う会社も増えてきています。

孔版印刷(スクリーン印刷)

孔版印刷は、版に着色箇所の穴をあけ、上からインキを擦り付けることによって印刷を行う方式です。 特徴として、紙以外のガラスや布、金属等どのような素材にも印刷が可能な点です。また、平面ではない、円筒形のコップ等にも印刷をすることが可能です。 このような特徴から、孔版印刷は、Tシャツやトートバッグ、コップ等の印刷に使われています。

最後に

印刷の種類や特徴について、ご理解いただけましたでしょうか。 印刷の流れや、各種類ごとの特徴や使用用途について、少しでも理解が深まっていれば幸いです。また、凸版印刷についてはこちらの記事でも詳細を取り上げておりますので、参考にしていただければと思います。

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