射出成形に使われるプラスチックの種類についてのまとめ

射出成形に使われるプラスチックにはどのようなものがあるのでしょうか?この記事では、樹脂の性質ごとに分けた種類をご紹介します。

プラスチックの種類について

熱可塑性樹脂・熱硬化性樹脂

プラスチックの分け方は様々ですが、まずは熱を加えることによって、どのように変化するかで分けることができます。

熱可塑性樹脂

熱を加えることによって固体や液体に変化できる樹脂のことを指します。熱可塑性樹脂は熱を加えると液体になり、冷やすと固体になります。またこの温度変化を何回も繰り返すことができます。 射出成形では、熱可塑性樹脂を使って成形を行います。この中での熱可塑性樹脂はさらに2つの種類に分けられます。

①汎用プラスチック

汎用プラスチックは、熱可塑性樹脂の中で比較的安価で加工もしやすいプラスチックのことを指します。携帯ケースやリモコンなど、日常でよく目にするプラスチックです。中でも、PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)・PVC(ポリ塩化ビニル)・PS(ポリスチレン)は、特に生産量の多い樹脂です。

②エンジニアプラスチック

エンジニアプラスチックは、プラスチックの中でも耐熱性など、特定の機能を持っているプラスチックのことを指します。エンジニアプラスチックよりもさらに優れたプラスチックを、スーパーエンジニアリングプラスチックと言い、特に耐熱性と機械的強度に優れています。

熱可塑性樹脂はもう一つ分け方があり、結晶性と非晶性に分けられます。

結晶性樹脂

結晶性樹脂とは、樹脂の温度が低下するごとに分子運動がゆっくりと収まり、樹脂の温度が結晶化温度(Tc)まで低下し固化したときに、分子が規則的に並んだ結晶部分を持つものです。

非晶性樹脂

非晶性樹脂とは樹脂の温度が結晶化温度まで下がったときに分子が結晶部分を持たず、不規則に絡み合ったまま固化する樹脂のことを指します。特にこの分け方については、射出成形で重要ですので別記事で詳しくご紹介いたします。

②熱硬化性樹脂

これは、熱を加えた後は硬化し、液体に戻らない樹脂のことを指します。つまり、何度も温度変化を繰り返すことができる熱可塑性樹脂とは異なり、熱硬化性樹脂は、一度熱を加えると、液体に戻すことができません。

まとめ

ご紹介した3つの分け方を図式化すると、以下の図のようになります。

プラスチックの種類まとめ

プラスチックの種類について、ご理解いただけましたでしょうか?

射出成形では、熱可塑性樹脂を使い、その中でも様々な分け方がある、とご理解いただければ幸いです。

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