【詳しく解説】電気亜鉛めっきの膜厚について

電気亜鉛めっきについて

電気亜鉛めっきの特徴として通常の鋼板よりサビや腐食性に強いということが挙げられます。またその他にも表面外観が美しい点や、傷がつきにくくなる点、加工性が高い点があります。その中でも今回は「膜厚」と呼ばれる厚さについて説明していこうと思います。

なぜ電気亜鉛めっきは「薄い」のか

結論から申し上げると電気亜鉛めっきの膜厚はほかの手法に比べ「薄い」です。 電気亜鉛めっきの膜厚は10㎛が標準だといわれております。対して溶融亜鉛めっきは50㎛以上となっております。

電気亜鉛めっきの膜厚が薄い要因は亜鉛液に電気を電気を通すことで皮膜が電気分解され原子レベルでめっきが積み重なっていく手法だからです。もう一つのめっき方法である溶融亜鉛めっきと使い方が異なります。用途として溶融亜鉛めっきは大きな屋外の構造物や架台になりますが電気亜鉛めっきは緻密な自動車部品やエレベーター部品などが挙げられます。 このように薄さが異なるため塗装対象に応じて加工を変えます。

このように膜厚が他と比べ薄いことにはメリットとデメリットがそれぞれ存在します。

膜厚の薄い電気亜鉛めっきのメリット

膜厚が薄いことのメリットは均一で精度のよい薄い亜鉛皮膜を析出することが出来るので、精度の質が高いことが挙げられます。その為自動車部品やエレベーター部品などの細かな素材に適しています。物の表面にめっき金属を超高速で積み重ねていく原子レベルでの細かな作業が可能になります。

膜厚の薄い電気亜鉛めっきのデメリット

膜厚が薄いことのデメリットは溶融亜鉛めっきと比べ耐食性が劣るという点です。鋼板に処理を施すと亜鉛皮膜が表面に発生するため防錆効果はあります。ですが溶融亜鉛めっきは電気亜鉛めっきと比べ厚さがあるため耐食性だと溶融亜鉛めっきに分があります。しかしこの薄さが逆に扱いやすい均一で精度のよい亜鉛皮膜を析出することが出来るので、精度の質が高くなります。

また加工後にクロメート処理という後処理を施し、亜鉛自体を強化することで耐食性の機能を上げることにつながります。10μm以下の細かな部品にはクロメート皮膜の防錆力が付与された電気亜鉛めっきが有力になり採用されるようになります。

 

クロメート処理とは?

薄い亜鉛に対し防錆能力を付与するのがクロメート処理と説明しました。このクロメート処理について説明していきます。
クロメート処理は亜鉛めっきを行った製品をクロム酸の液に浸けることで亜鉛めっき表面にクロムを含む不活性な耐食性皮膜を作る処理になります。これにより亜鉛めっきの表面に錆びを発生しにくくしています。
また、最初に説明した外観を美しくするのもクロメート処理することで色調が変わり白色、黒色などといった色を持たせられます。

まとめ

いかがでしたでしょうか?電気亜鉛めっきは薄さ故の耐食性のデメリットがあるものの同時に緻密な部品の柔軟な対応が可能です。
またクロメート処理を施すことで耐食性に防錆能力を付与することで薄さのデメリットも解消することができます。
東栄コーティング株式会社では【自動回転バレル】【ハンガー式】【手動回転バレル】の三つの装置で電気亜鉛めっき加工を行います。クロメート処理もしっかり行い精度にも自信があります。表面処理でお困りのことがございましたらぜひお問合せください。

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