よく耳にする「めっき」とはどういう処理?主な種類とメリットデメリットについて

めっきとは

めっきとは表面処理の一種で薄い金属の膜を製品の表面に加工する技術のことです。これは金属や、プラスチック、セラミックス、ガラスなど様々な製品の表面に金、銀、クロムを膜として析出する行為です。素材の持つ特性に違う特性を付与することもできます。

表面処理とは

そもそも表面処理とは金属や、ゴム、セラミックスなどの素材表面に、素材の持つ特性とは別の特性を与えることができる技術です。その中の金属への表面処理において本記事の「めっき」という技術が多く使われます。 素材本来を変更することがない為素材の強度にプラスで耐食性や、硬度、美観などを付与させることができます。よくある「塗装とめっきの違い」についてはこちらの記事でも解説していますので気になった方はご覧になってください。

めっき加工の目的

めっき加工の目的には主に三つの目的があります。

  • 装飾性の向上
  • 耐食性の向上
  • 機能性の向上

以上の三つが主な目的になります。それぞれ詳しく説明していきます。

装飾性の向上

装飾性の向上は見た目を美しくするために行われるものです。厚さを均等にすることで、光沢のある表面や高級感のある表面にすることが可能です。近年では半永久的に光沢を持たすことができる種類もあります。またプラスチックにも加工を施し光沢を与えることも可能です。この装飾目的のめっきのことを「装飾めっき」といいます。

耐食性の向上

耐食性の向上は表面を覆い錆を防ぎ、鉄の腐食や防錆能力を高めることです。めっきは主に金属に加工されることが多いです。素材である金属はむき出しのままにすると表面に白錆が発生してしまいます。また錆が発生し時間がたつと内部に侵入し素材の強度が落ちる原因になります。その為錆に強く防錆能力を持った金属を膜として付与することで耐食性の向上に繋がります。

機能性の向上

機能性の向上は上記の二つと違い、様々な能力を付与する目的があります。めっき皮膜には様々な特性があります。この特性を付与することで新たな機能を素材に追加することができます。機能は主に以下のようなものがあります。

  • はんだの馴染みを良くする
  • 電流を流れやすくする電気特性
  • 熱伝導率を高くする熱特性
  • 摩擦での消耗を抑える摩擦耗性

他にもありますが上記の機能を追加することができます。

めっきの種類

めっきは大きく分けて真空状態の中でする乾式めっきと電解質水溶液に漬けながらする湿式めっきに分けられます。 一般的には湿式めっきのほうが多いです。この湿式めっきには主に電解めっきと無電解めっきが存在します。 次から電解めっきと無電解めっきについて説明していきます。

電解めっき

電解めっきとは電気分解により金属を分解し被めっき製品にめっきを析出させる加工方法です。めっきの材料を陽極にし、製品を陰極にして電流を流すことでめっきの素材となる電気イオンが陽極から陰極に移動し、製品の表面にめっきが析出します。以下では主なポイントをまとめていますが、さらに細かく気になった方はこちらの記事でも解説していますので併せて読んでみてください。

電解めっきのメリット

電解めっきのメリットは低コストで生産できるため生産数が増えることと、様々な金属に対応できるという点があります。 また電解めっきは装飾性、防錆性、耐摩耗性、電気伝導性が付与できます。

電解めっきのデメリット

電解めっきのデメリットは製品の形状次第でめっきの膜厚にばらつきがででしまうという点です。例えば四角い板の場合、角には電流が集中するため、面の中央部より、角の方が膜厚が厚くなる傾向があります。その為加工の細かな技術が必要になってきます。

無電解めっき

無電解めっきとは電気の代わりに薬品を使った化学反応でめっきを析出する加工方法です。

無電解めっきのメリット

無電解めっきのメリットとして導電性を持たないためプラスチックやセラミックの製品に対応することが可能であり、均一なめっき加工が可能のため複雑な形状の材料にもめっきが可能になります。 また無電解めっきは耐摩耗性、防錆性が付与できます。

無電解めっきのデメリット

無電解めっきのデメリットは電解めっきと比較しコストがかかります。何故ならめっき槽の調整に薬品を使うためです。科学的な薬品を使うためめっき槽が不安定になりやすく調整のため薬品を多く使います。そのため必然的にコストがかかってしまいます。また、めっき槽は液を高温維持しなくてはいけないため維持管理が困難という点もあります。

まとめ

いかがでしょうか。めっきには耐食性、装飾性、機能性の三つの目的があります。近年一般的に扱われているめっき加工は湿式めっきとなっており、そのなかでも代表的な電解めっきと無電解めっきについて説明しました。 東栄コーティング株式会社では電解めっきに属する電気亜鉛めっきといった手法でお客様のニーズにお応えしております。主に自動車の精密備品、工作機部品といった細かな部品で対応しており、岐阜最大級の設備を活かし大手自動車メーカー品質のめっき加工でお客様のニーズに全力でお応えします。表面処理のことで何かお困りのことがございましたらぜひお問い合わせください。

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