【意外と知らない】めっきと塗装の違いやメリットデメリットを詳しく解説

皆さん、めっきと塗装の違いはご存知でしょうか。
めっきと塗装は似たような状況で必要となる表面処理です。表面処理をご希望された際にどちらが適切なのか、迷われた経験はあるのではないでしょうか。
そこで、今回はめっきと塗装について説明していきます。めっきと塗装のメリット・デメリットも述べていますのでご参考になれば幸いです。

めっきとは

めっきとは、製品に金属塗膜を析出させる表面処理のことをいいます。金属成分や薬品が溶け込んだめっき液に製品を浸漬させ表面処理を行います。めっきを施す目的は防錆や装飾をはじめとして、導電性や耐熱性、耐薬品性などの機能付与などが主なものになります。

塗装とは

塗装とは、塗布や吹き付けによって製品表面に塗膜を形成させる表面処理のことをいいます。塗料の性質上この塗膜というのは樹脂を含んだものになります。塗装の目的はめっきとほぼ変わりません。製品に美観を与え保護することが目的です。

めっきと塗装の一致点・相違点

めっきと塗装にはそれぞれ手法として一致する部分と、異なる部分があります。本記事では網羅的にご説明いたします。

一致点

①塗膜を新たにつける点

どちらの表面処理も製品素地上に塗膜を新たに施します。それぞれの細かい違いについては後述いたします。

②処理の目的

処理を施す目的に関してめっきも塗装も似ています。どちらも対象物の表面を加工する手法となります。

相違点

①塗膜の性質

めっきは塗膜が金属から成っているのに対して、塗装の塗膜は樹脂など金属以外のものから成っています。

②処理方法

めっきは基本的にめっき液に浸漬をして処理を行いますが、塗装は塗料を塗ったり吹き付けたりして処理を行います。

めっきのメリット・デメリット

それぞれの手法における差異から、メリットやデメリットが発生しています。

以下をご確認いただき、加工の目的や予算感などから適切な方法を選んでいただければと思います。

メリット

①塗膜の均一性が高い

製品をめっき液に浸漬させるのでムラなく処理することができます。

②はがれにくい

製品の金属とめっきの金属成分が結合することで強固な接着が実現できます。

③傷みにくく、長持ちする

めっき液の金属が塗料に比べて高強度であり、めっきが剝がれづらい性質からサビなどが生じづらいです。

④見た目が美しい

金属の特徴的な光沢や質感を製品に与えることができます。

デメリット

①加工工程が多く、時間がかかる

製品が清浄な状態であり露出していることが必要なため、製品の前処理に多くの工程が必要です。

②設備が大掛かりで、工場内でしか処理できない

加工過程が多いことから様々な設備を必要とします。

③素材によっては処理することが困難

ある金属の表面にはこの金属をめっきする事ができる、と言うようにめっき可能か否かには制限があります。例えば金などの貴金属をめっきする場合には、素材へのめっき金属の拡散防止が必要となるため、ニッケルを下地めっきとして挟まなければなりません。

塗装のメリット・デメリット

メリット

①小規模な設備で処理できる

めっきと比較すると加工過程は少ないです。

②再塗装が容易

塗装方法や塗料にもよりますが、塗装済みのものにもそのまま上から塗装できます。塗り直しを前提としていることも多く、ひび割れや剥離が生じても塗り直すことで元の品質や機能を容易に復元することができます。

③コストが低い

 塗料自体がめっきに使用する金属よりも安価であり、加工工程もめっきより少なく加工賃も安くなります。

デメリット

①塗膜の均一性がめっきより低い

塗膜の厚みや表面の均一性は塗装の仕方に依存します。手塗りや吹付塗装の場合塗装できたとしても塗装対象の形状によっては不均一性が生じてしまいます。電着塗装などめっきに近い均一性が得られる塗装法もありますがめっきよりも均一性が低いです。

②剝がれやすい

 めっきが製品表面の極小な凹凸に入り込んで固化するのに対し塗装は表面に付着するだけです。そのため、接着性が低いです。

③耐久性が低い

 塗膜はめっきよりも強度が低く密着性も弱いため剥がれたり痛みやすかったりします。そのため、塗装は定期的に塗り直すものとして用いることがあります。

最後に

いかがだったでしょうか。
めっきと塗装の違いはおわかりいただけましたか。めっきと塗装は性能というよりもコスト面で大きな違いがあります。
ニーズに合った塗膜性能をもつ処理を選択することが大切になります。
めっきか塗装にのどちらの表面処理を行えばよいか、少しでも解決できたのであれば幸いです。
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